【いつまで職人のまま?】給与UPと裁量権を手に入れる「職長」への最短ルート!必須資格と本当に役立つ資格リストを公開

現場仕事にも慣れ、一通りの作業はこなせるようになった。そろそろ次のステップに進みたい。職人として経験を積んできた方なら、誰しもが一度はそう考えるのではないでしょうか。


しかし、優れた職人が、必ずしも優れた「職長」になれるわけではありません。プレイヤーとして高い技術を持つことと、チームを率いて現場全体を動かすことの間には、実は大きな隔たりがあります。その違いは、現場を部分ではなく全体で捉え、人・モノ・安全といったあらゆる要素を管理する「マネジメント能力」を持っているかどうかにあります。


そして、そのマネジメント能力を身につけ、職長としてのキャリアを歩み始めるための公式な第一歩が、「職長・安全衛生責任者教育」という資格(正確には教育の修了)です。これは単なるスキルアップではなく、あなたのキャリアを新たなステージへと引き上げるための、いわばパスポートのようなものなのです。




なぜ資格が必要?職長の役割と責任の全体像

職長とは、建設現場の最前線で作業チームを直接指揮・監督する、いわば「現場の司令塔」です。一般の作業員が自分の持ち場の作業に集中するのに対し、職長はチーム全体のパフォーマンスを最大化させるという、より広く、より重い役割と責任を担っています。


職長の具体的な役割は多岐にわたります。まずは、その日の作業手順を決め、各作業員に的確な指示を出すこと。そして、作業が計画通りに進んでいるか「工程」を管理し、求められる品質を確保できているか「品質」を管理します。さらに最も重要な役割が、現場の危険箇所を洗い出し、事故を未然に防ぐための対策を講じる「安全管理」です。


こうした役割を果たすため、職長には法律上の責任も課せられています。労働安全衛生法では、事業者は職務を行うこととなった職長に対し、安全衛生に関する教育(職長教育)を行うことを義務付けています。これは、職長が現場の安全衛生のキーパーソンであり、その知識や意識が現場の事故発生率に直結するという考えに基づいています。つまり、「職長教育を受けること」は、単なるスキルアップではなく、法律で定められた責任を果たすための最低条件なのです。


職長になるということは、これまでのように自分の作業だけを考えていれば良かった立場から、チーム全員の安全と仕事の成果に責任を持つ立場へと、視点を大きく切り替えることを意味します。その責任の重さこそが、職長という仕事の厳しさであり、同時に大きなやりがいにもつながっていきます。




キャリアの必須科目「職長・安全衛生責任者教育」を徹底解説

職長を目指す上で、避けては通れないのが「職長・安全衛生責任者教育」です。これは国家資格のような試験があるわけではなく、定められたカリキュラムの講習を受講することで修了証が交付されるものです。しかし、その内容は、現場のリーダーとして立つために不可欠な知識の宝庫です。



この教育で何を学ぶのか?


講習では、現場を安全かつ効率的に運営するための具体的な方法論を学びます。主な内容は以下の通りです。

・作業方法の決定および労働者の配置

・労働者に対する指導または監督の方法

・危険性または有害性等の調査とその結果に基づき講ずる措置(リスクアセスメント)

・異常時等における措置

・その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動

これらは、経験や勘だけに頼るのではなく、体系化された知識として学ぶことで、どんな現場でも応用できる判断力の基礎となります。特に、現場に潜む危険を科学的に評価し、対策を立てる「リスクアセスメント」は、安全管理の根幹をなす重要な考え方です。



受講方法と費用について


この教育は、各都道府県の労働基準協会連合会や、民間の登録教習機関などで実施されています。講習は、学科のみで構成され、通常は2日間(合計14時間)の日程で行われます。費用は、実施機関によって多少異なりますが、おおむね1万5千円から2万円程度が目安です。会社によっては、費用を全額または一部補助してくれる制度がある場合も多いので、まずは上司や担当部署に確認してみると良いでしょう。


この教育を受けるにあたって最も大切なのは、「単に修了証をもらうため」という受け身の姿勢で臨まないことです。ここで学ぶ知識の一つひとつが、自分自身と大切な仲間を事故から守るための武器になります。「この知識を、明日の現場でどう活かせるだろうか?」という当事者意識を持って受講することが、真に価値のある学びにつながります。




市場価値を高める!職長のキャリアを加速させる推奨資格ロードマップ

「職長・安全衛生責任者教育」は、職長としてのキャリアのスタートラインです。しかし、そこで立ち止まっていては、その他大勢の職長との差別化は図れません。給与アップや、より大規模でやりがいのある現場を任されるためには、自身の市場価値をさらに高めていく戦略的な視点が必要です。ここでは、職長のキャリアを加速させるために役立つ資格を、目的別に紹介します。



【管理能力の証明】1級・2級施工管理技士


職長からさらに上のキャリア、例えば工事全体を統括する「現場監督(施工管理者)」を目指すのであれば、施工管理技士の資格は必須といえます。この国家資格は、建設工事における工程管理、品質管理、安全管理などの専門知識を体系的に有していることの証明になります。特に1級を取得すれば、大規模な工事の責任者としても活躍でき、キャリアの幅と収入の可能性が大きく広がります。資格手当が支給されることも多く、会社からの評価も格段に上がります。



【作業の幅を広げる】技能講習・特別教育


現場で的確な指示を出すためには、職長自身が様々な作業に関する知識と資格を持っていることが強みになります。例えば、「玉掛け技能講習」や「足場の組立て等作業主任者技能講習」、「高所作業車運転技能講習」などです。これらの資格があれば、自ら作業を行うことはもちろん、作業員に対してより具体的で安全な指示を出すことができます。対応できる業務の幅が広がることは、会社にとって貴重な戦力となり、元請けからの信頼獲得にもつながります。



【専門性の深化】各種防水施工技能士


職長はマネジメント能力が求められますが、その土台には職人としての高い技術力があるべきです。自身の専門分野である防水工事の技術力を客観的に証明するのが「防水施工技能士」という国家資格です。この資格は、ウレタンゴム系、セメント系など工法ごとに等級が分かれており、最上位の1級を取得すれば、その分野の第一人者として認められます。高い技術力に裏打ちされた職長が出す指示には、説得力が宿ります。




資格を"宝の持ち腐れ"にしない。成長できる会社、3つの共通点

意欲的に資格を取得しても、それを活かす機会がなければ意味がありません。それどころか、成長したいというあなたの思いと、会社の体制との間にズレが生じ、仕事へのモチベーションが低下してしまうことさえあります。職長として、そして一人のプロフェッショナルとして本当に成長できる環境とは、どのような場所なのでしょうか。ここでは、社員の成長を本気で考える企業に共通する3つの特徴をご紹介します。



共通点1:資格取得支援が「制度」として確立している


「資格取得を応援します」という言葉は、多くの企業の採用サイトで見られます。しかし、本当に社員の成長を考えている会社は、その言葉が単なるスローガンで終わっていません。受験費用や講習費用の補助といった金銭的なサポートはもちろんのこと、資格試験の前に休暇を取りやすくするなど、社員が勉強時間を確保できるよう配慮する「制度」として確立しています。


こうした企業は、社員のスキルアップを単なるコストではなく、会社の未来を支える重要な「投資」だと捉えています。社員一人ひとりの成長が、会社の技術力や競争力を高めることを理解しているのです。面接などの機会に、支援制度の具体的な内容や、実際に制度を利用して資格を取った先輩がいるかなどを確認してみると良いでしょう。



共通点2:挑戦と失敗を許容する「文化」がある


資格は、取得してからが本当のスタートです。学んだ知識を実践の場で使って初めて、血肉となります。成長できる会社には、資格を取った社員に対し、積極的に責任あるポジションを任せ、挑戦させる「文化」があります。


もちろん、初めて職長を任されれば、戸惑うことや失敗もあるかもしれません。そんな時、頭ごなしに叱責するのではなく、上司や先輩が「なぜ失敗したのか」を一緒に考え、次に活かすためのフォローをしてくれる。そうした、挑戦と失敗を許容する懐の深さが、人を育てます。新米の職長が安心してリーダーシップを発揮できるよう、会社全体でサポートする風土があるかどうかは、非常に重要なポイントです。



共通点3:職長同士の「横の連携」がある


職長という立場は、時に孤独を感じるものです。現場で難しい判断を迫られたり、人間関係で悩んだりしたとき、一人で問題を抱え込んでしまうケースは少なくありません。


社員の成長を促す企業は、こうした職長の孤立を防ぐための仕組みを持っています。例えば、定期的に職長だけが集まるミーティングを開き、それぞれの現場の状況や課題を共有したり、成功事例を学び合ったりする場を設けています。他の職長がどんな工夫をしているかを知ることは大きな刺激になりますし、悩みを相談できる仲間がいるという事実は、精神的な支えになります。組織全体で課題解決に取り組む体制が、個々の職長の成長を加速させるのです。




モデルケースに見る、職長が育つ組織のあり方

では、実際にこれらの条件を満たしている企業では、どのようにして職長が育っていくのでしょうか。ここでは、業界における優良企業のモデルケースを参考に、その具体的な育成プロセスを見ていきましょう。



会社が主導するキャリアプランの提示


多くの優良な企業では、社員が入社した時点から、将来のキャリアプランを意識した育成が行われます。職人として数年の経験を積んだ社員に対しては、会社側から「次のステップとして、職長を目指してみないか」と声をかけ、本人の意思を確認します。そして、職長になるために必要な「職長・安全衛生責任者教育」の受講を会社負担で手配し、キャリアアップへの道を具体的に示します。


さらに、施工管理技士などの上位資格についても、会社がロードマップを提示し、計画的な取得を支援します。どの資格をどのタイミングで取得すれば、キャリアアップや昇給につながるのかが明確になっているため、社員は目標を持って学習に取り組むことができます。



OJTとOff-JTを組み合わせたリーダー教育


資格取得はあくまでインプットです。その知識を実践で活かすためのアウトプットの場がなければ、本当の実力は身につきません。成長できる企業では、資格取得後のフォローアップが手厚いのが特徴です。


例えば、最初は小規模な現場の副職長として、ベテラン職長の仕事ぶりを間近で学びながら、少しずつ管理業務を経験させます。現場でのOJT(実務を通じた研修)と並行して、リーダーシップ研修やコミュニケーション研修といったOff-JT(職場外研修)の機会を提供し、職長に必要なマネジメントスキルを体系的に学ぶサポートも行います。こうした丁寧な育成プロセスが、経験の浅い職長の不安を取り除き、自信を持って現場に立つための土台を作るのです。


株式会社粟野工業の採用情報に関心のある方は、こちらの採用サイトをご覧ください。

https://www.awanokg.jp/recruit




優れた職長は、資格と環境によって作られる


この記事では、職人から職長へとステップアップするために必要な資格と、その資格を活かして真に成長するための考え方について解説してきました。


「職長・安全衛生責任者教育」の修了は、職長としてのキャリアを始めるための最低条件であり、いわばスタートラインです。しかし、そこで満足するのではなく、施工管理技士や各種技能講習といった資格を戦略的に取得していくことで、あなたの市場価値はさらに高まり、より大きな責任とやりがいのある仕事を手に入れることができます。


しかし、最も重要なのは、あなたの成長意欲を全力で後押ししてくれる「環境」を選ぶことです。資格取得を制度として支援し、挑戦と失敗を許容する文化があり、そして仲間と学び合える風土がある。そんな会社で働くことによってはじめて、資格という武器を最大限に活かすことができるのです。


これからのキャリアを考える上で、「次にどの資格を取るか」ということと同時に、「自分はどんな職長になりたいのか、そして、そのためにはどんな環境が必要なのか」を自問してみてください。あなたのリーダーとしての資質を正当に評価し、成長の機会を与えてくれる場所を選ぶことが、長期的な成功への何よりの近道となります。


まずは、今いる会社の制度を確認すること、あるいは転職を考えているなら、企業の採用ページで「人材育成」に関する項目をじっくりと読み解くことから始めてみましょう。あなたのキャリアは、今日のその小さな行動から、確実に変わっていきます。


より詳しい情報やご相談を希望される方は、こちらの問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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